塾講ライフ!

大学受験個別指導塾で働く筆者の日常

【英文解釈】名詞構文ってなぜ理解する必要があるの?見分け方のコツは? 練習問題と共にわかりやすく解説します。

名詞構文は難しいですね。英語講師のなかには、名詞構文について、なぜこれを理解する必要があるのかをそもそも説明できない人すらいます。しかも、名詞構文を見分けられるようになるために必要なこともうまく解説できないのです。

 

というわけで、この記事では、

  1. 名詞構文とは何か
  2. なぜ名詞構文を理解する必要があるのか
  3. どうすれば見分けられるのか

の3点を解説します。最後に練習問題もつけましたので、読者の方はご自身の理解の深さを測るために使ってみてください。

なお、練習問題に使用している英文はすべてパブリック・ドメインになっている作品から引用しています。

 

 

名詞構文とは何か

名詞構文とは、動詞や形容詞を中心とするフレーズが、その動詞や形容詞を名詞に変化させることによって、全体として「名詞+前置詞句」というフレーズに変化したもの、と定義できます。

まずは日本語で考えてみよう

このままだと何を言っているのかわからないと思うので、まずは日本語を例にして考えましょう。次のフレーズについて考えましょう。

 

(A)紫外線から肌を保護する

 

これは「保護する」という動詞で終わっているため、動詞中心にフレーズです。これを「〜保護」という形で、全体として名詞になるように書き換えてみます。すると

 

(B)紫外線からの肌の保護

 

となります。このように、名詞中心のフレーズにすることで、これを文の中に組み込んで使用することができます。例えば、

 

(C)私の母は紫外線からの肌の保護に熱心だ。

 

これを英語に置き換えてみよう

これまで確認したことを英語に置き換えてやってみましょう。すると、上の(A)から(C)の日本語は以下のようになります。

 

(A)protect the skin from UV

(B)the protection of the skin from UV

(C)She is enthusiastic about the protection of her skin from UV.

 

となります。

 

(A)は、protectという動詞を使っている、動詞中心のフレーズです。

(B)では、protect が名詞の「the protection」へと変化しています。それに合わせて、残りの部分も「of the skin from UV」と変化しました。これが名詞構文です。

 

今度は形容詞を例にして

次は形容詞中心のフレーズから名詞構文を作ってみましょう。日本語でこれまでと同様に以下(D)(E)(F)の例を作ってみます。

 

(D)その論文は社会心理学の歴史において重要である。

(E)社会心理学の歴史におけるその論文の重要さ

(F)誰もが、社会心理学の歴史におけるその論文の重要さを認めている。

 

これを英語に直すと

(D)That article is important in the history of social psychology.

(E)the importance of that article in the history of social psychology

(F)Everyone recognizes the importance of that article in the history of social psychology.

 

となります。

 

(D)は important という形容詞を中心としたフレーズです。

(E)では、この important が importance と名詞に変化しました。それに伴って、主語が of ~ を使って表されています。これが名詞構文です。

 

 

さて、大体のイメージは掴めましたか。しかし、なぜそもそも名詞構文などというものを理解しないといけないのでしょうか。

 

なぜ名詞構文を理解する必要があるのか

それには二つの理由があります。

 

理由1:名詞構文を理解できていないと、そもそも英文の意味を取り違える

これが根本的な理由です。名詞構文がわかっていないと、そもそもで英文の意味を取り違えることがあります。

 

例えば、次の文について考えてみましょう。

 

A lot of people are worried about the replacement of human labor with robots

 

このフレーズをみた時に、名詞構文を知らない人は、with robots が human labor を修飾していると考えて

 

「多くの人が、ロボットを持った人間労働力の置き換えを心配している」と訳す可能性があります。これだと意味がよくわからない日本語です。解釈に失敗しています。

 

しかし、名詞構文を理解している人は、この英文を見た時に、「replace A with B=BでAを置き換える」を念頭において、「あ、これは、replace human labot with robots の名詞構文だな」と理解し、

 

「多くの人がロボットによって人間の労働力が置き換えられることを心配している」と正しく解釈することができます。

 

名詞構文の考え方を知らないと、そもそも正しく英文を理解できないのです。

 

 

理由2:名詞構文を知らないと、意味のわかりやすい日本語訳が書けない

第2の理由は和訳問題への対応に関わります。最初に挙げた例に戻ってみましょう。

 

the protection of her skin from UV

 

これを名詞構文をうまく理解できていない人が訳すと、こうなるかもしれません。

 

「紫外線からの彼女の肌の保護」

 

この日本語がわかりにくいことは明白なのではないでしょうか。一般に「の」が3回連続して用いられると、わかりにくい日本語訳と言われるようです。

 

しかし、名詞構文を知っている人は、このフレーズから「protect A from B」を想起して

 

「紫外線から彼女の肌を守ること」

 

と訳すことができます。このように名詞構文を知っていると、わかりやすい日本語を書くことができるのです。

 

どうすれば名詞構文を見分けられるようになるのか

さて、ではどうすれば名詞構文を見抜けるようになるのでしょうか。私が考えるに、ポイントは3つあります。

 

ポイント1:普段から派生語を作る練習をしよう

一つ目は普段から派生語を作る練習をすること、です。

 

これまでの例でわかっていただけたと思いますが、名詞構文で使われる名詞は、もともと動詞や形容詞の派生語です。

  • protect ⇨ protection
  • important ⇨ importance
  • replace ⇨ replacement

といった形で。

 

ですので、名詞構文にうまく気づけるようになるためには、派生語の訓練が必要になります。派生語がわかっていないと、「replacement of A with B」を見た時に、「replace A with B」を想起できなくなってしまいます。

 

例えば、こんな訓練方法があります

派生語の訓練をする方法としては、例えば次のようなものがありえるでしょう。

  1. 派生語を豊富に紹介している単語帳を使う:例えば『鉄壁』は、ある単語とその派生語も含めて見出し語として掲載しているので、これを使えば品詞と意味を対応づけて覚えることができます。
  2. 長文問題を使う:私は高校生の時に、長文問題を使って派生語の訓練をしていました。長文問題で出てきた英文一つにつき一つ単語を選んで、その単語から派生語を作るという訓練です。これはなかなか効果があったように思います。

 

ポイント2:動詞や形容詞を覚える時は、それがどのような前置詞と一緒に使われるのかも同時に覚えよう

次のポイントは、語法を気にして動詞や形容詞を覚えよう、です。

 

上であげた例で申しますと、replace A with B、protect A from B という形で、replaceやprotectがどのような前置詞と使われやすいかを知っていることで、名詞構文の気づきやうさがあがっていました。

 

言い方を変えると、このような知識があれば、英文を読んでいて replacement が出てきた時に、「with がこの後に出てくる可能性が高いぞ」と思えるようになります。

 

VintageやNextstageなどの語法パートはしっかり頭にいれましょう。

 

ポイント3:前置詞 of に敏感になろう

最後のポイントは、of に敏感になろう、というものです。名詞構文では基本的に of が絡んできます。ですので、名詞構文になれないうちは、名詞構文と意識するのではなく、まず前置詞 of を意識するとよいです。of が出てくるたびに、「名詞構文かな?」と考える癖をつけてみましょう。そうることで、だんだんと名詞構文を見抜けるようになっていくはずです。

 

練習問題

最後に練習問題で名詞構文を見抜いてみましょう。以下の英文を、名詞構文を意識して訳しなさい。

 

1. It is usual to blame Mark Twain’s wife for his failure to write the books he ought to have written.  (George OrwellMark Twain—The Licened Jester)

 

2. Or was the body really in the soul, as Giordano Bruno thought? The separation of spirit from matter was a mystery, and the union of spirit with matter was a mystery also. (Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray)

 

3. I had so much faith in Sherlock Holmes’ insight that I could not lose hope as long as every fresh fact seemed to strengthen his conviction of young McCarthy’s innocence. 

(Arthur Conan Doyle, The Adventures of Sherlock Holmes)

 

解説

1. his failure to write the books が名詞構文です。もともとの動詞中心の表現を考えると、he failed to write books となります。これを意識して訳せば

「マークトゥウェインが書くべきだったはずの本を彼が書きそこねたことに対して、彼の妻を非難するのは普通のことである」

 

2. The separation of spirit from matter が名詞構文です。これを動詞中心の表現に戻すと

separate spirit from matter となります。これを意識して日本語にするならば

「物質から精神がわかれていることは謎だ。そして、精神が物質と一つであることも謎だ」

 

3. his conviction of young McCarthy’s innocence が名詞構文です。これも書き換えましょう。すると、he is convinced of young McCarthy's innocenec となります。また、McCathy's innocenceも名詞構文で、これは McCarthy is innocent が元の表現になります。

これを意識して日本語に訳せば、

「私はシャーロック・ホームズの洞察をとても信頼していたので、新しく出てきた事実すべてによって、『マッカーシーは無実である』という彼の確信が強くなる限り、私は希望を失わなかった」